『「何かを“政治的”と称して別物と見做すことは、それについて考えずにおくための弁解に過ぎない」とヴィッキーは1979年12月に語った。『ザ・レインコーツ』はまるまる一枚がレジスタンス行為だ。「パーソナルはポリティカル」の気風と謳い文句が60年代と70年代により幅広く取り入れられたのにしたがい、レインコーツはその発想を拡張し、自身の楽曲のなかにさりげなくパーソナル性を明かしていった。アナは『NME』にこう語った。
 
 わたしたちはラヴ・ソングを書くと言われてきたし、それは伝統的に女性が取り上げる題材だ、愛と感情は女性的な題材であると言われてきた。それと同時に、わたしたちは人々に政治を押し付けていると非難されてもきた。わたしが言いたいのは、わたしたちの曲の扱い方からすれば、それらふたつは別個なものではないということだ。わたしたちには「愛の」歌も「政治的な」歌もなく、人々についての歌があるだけ。その人間が人生のなかで起こす行動はなんであれ政治的だとわたしは思う。(中略)』

ジェン・ベリー/坂本麻里子訳『ザ・レインコーツ 普通の女たちの静かなポスト・パンク革命』より [参照]

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