財政学の授業は毎年「国家の役割は人権保障です」から始めるし、折に触れて何度も確認するし、指名して言わせるし、半期の授業で数十回言及する。
しかしなぁ、それでも指名して「国家の役割はなんですか?」と質問して、全然出てこないのが結構多い。人の話なんか聞いちゃいねぇ。
とか思うんだけど、「聞いちゃいねぇ」というより、「人の話を聞くとはどういうことか」ということがまるでわかってない。そういう子は結構多い。あんまり悪気もないのよね。出席して、愛想良くして、そしたら「しょうがねぇなぁ」つって、先生が助けてくれるのを期待してる。
根本的に何が欠けてるかというと、「話を聞いてちゃんとわかる」「わかるようになる、できるようになる、自分が成長する」というイメージがない。これって絶望の一形態なんだよね。一種の教育ネグレクトの犠牲者。残酷だと思う。
なので、その学生に、というより、その子をそのようにしてしまったこれまでの環境に、腹が立つ。親も学校の先生も忙しくて手が回らないのだろうけど、そういう状態を放置しているなんにもわかっちゃいない政治に腹が立つ。
まぁ、少し話が逸れてしまったが、まぁいいか。