まそりゃ職業訓練みたいのばっかりでもしゃーないもんな
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多くの教科書会社が小説の掲載に踏み切ったのはなぜか。「現場のニーズがあるからだ」と各社は口をそろえる。
教科書会社が指摘するのが、現場が今回の学習指導要領に批判的だということだ。①文学作品を学ぶ機会が減る②現代の国語と言語文化の切り分けで、言語文化に古文、漢文、小説などが集まり過ぎているということだ。
神奈川県立高校で43年間国語を教えてきた県立藤沢清流高校の小嶋毅講師が昨秋、同県を中心とした国語の教員に「現代の国語」の新設についてアンケート。回答した133人のうち、「良かった」と答えたのは15%で、「良くなかった」が51%を占めた。
「大学入試では今まで通り古典の知識が必要なので、『言語文化』に小説が含まれると時間が足りなくなる」「文学作品は『正解のない問い』の宝庫だが、科目選択によっては触れることなく卒業する場合も少なくない」といった声が集まった。
小嶋講師は「当然の結果だ。考えたことを発信する報告書やプレゼンの訓練も必要だが、小説を内面で咀嚼(そしゃく)し、感想文を書く方が多感な高校生にとって実りが多いと思う」と話す。「作品を報告書やプレゼンのために読むのと、丸ごと味わうのは別物。検定を経て加わった言語活動は、現場の創意工夫で適切なものに練られていくだろう」とみる。
岐阜県立多治見北高校の前川泰信教諭も「教科書会社は、今まで通り小説を文学として十分扱いたい現場に配慮した結果だ」と言う。前川教諭自身は「羅生門」を通常の文学の授業ではなく、刑事事件の例として読み、生徒が話し合って量刑を決める試みをしている。
「言語文化」の詰め込みすぎについて、問題とみる。「本来は『現代の国語』と『言語文化』を分けない方がいい。ただ、現段階では『現代の国語』でも小説を読解の教材として扱うことを文科省は広く認め、教師の裁量に任せて欲しい」と話す。