この本、論理的で構成がしっかりしていて、わかりやすいです。
日本語を30年、勉強している中国人の先生が書いています。
序文に、わたしが考えていたことと同じことが書いてありました。
「言葉は、言った言葉だけでなく、言わなかった沈黙の言葉からもできている」ということです。
この先生は日本で、知人の家に招かれてお酒を飲み、夜遅く、こう言われたそうです。
「そろそろ…」
これは、じつは日本語ではこういう意味ですが、先生にはわからなかったそうです。
「そろそろ…」(帰ってください!)
negativeな後半は言わずに、察してもらうという、日本の例のあれです…。
そういうわけで、先生はそのままお酒を飲み続けたそうです。
中国語にも、このように省略される言葉があるので、中国の文化を知らないとわからないそうです。
だから「その言語を使う人たちの、考え方の道筋や価値観」を知ることが大事だと書いてありました。
まったく同じことを考えていたので、ほっとしました。
