早尾貴紀さんの投稿転載②

近い過去を振り返っても、1987年からの第一次インティファーダ期にパレスチナの抵抗運動が民族統一的なものへと発展していくことを阻止するために、PLO(中心はファタハ)のライバルであるハマスを利用してパレスチナ社会の分断を画策していたことは有名な話だ。
そして1993年からのオスロ体制でPLOは傀儡化、入植地付きのイスラエルを承認して抵抗運動を終え、占領の下請け行政機関としての「自治政府」となる。そしてファタハの部隊はオスロ批判をするハマスも含む反対勢力をイスラエルとの協力で弾圧するようになった。

このメチャクチャなオスロ体制が、2000年からの第二次インティファーダによって露呈すると、PLO自治政府の支持は地に落ちて、反オスロのハマスへの支持が高まり、2006年のパレスチナ議会選挙でハマスが勝利しハマス政権が誕生した(傀儡与党のファタハが負けたのだから、選挙の公正さは明白だ)。

早尾貴紀さんの投稿転載③

そうすると、イスラエルと米国は、ファタハに直接的な武器・弾薬の供与と軍事訓練まで施して、選挙で勝ったハマスに対して「内戦」を仕掛けさせた。もちろん教唆され演出された「内戦」だ。イスラエルも西岸地区からのハマス議員・活動家の一掃を手伝い、ほとんどを投獄するかガザ送致として、07年に完了。西岸地区に、完全にイスラエルとアメリカに支えられた武装クーデターによるファタハ自治政府が無理やり継続させられた。

他方で、ガザ地区に封じ込められたハマスは、選挙に基づく政権を維持。パレスチナ自治政府に、二つの内閣、二人の首相、という異常事態が生じたのだが、これはパレスチナの政治が混乱していたのではなく、西岸地区で武装クーデターによってファタハ傀儡政権がでっち上げられたということだ。これを御用メディアは「ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマス」と表現しているが、「西岸地区を(イ・米支援の)武力クーデターで実効支配している傀儡政権ファタハ」というのが現実だ。
こうして西岸=ファタハ、ガザ=ハマス、という分断構図を07年に意図的に作り出したイスラエルは、そこからガザ陥落に本格的に取り掛かる。それが現在に続く、ガザ封鎖、ガザ空爆、ガザ侵攻、ガザ一掃、だ。

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