LLMの普及がもたらす暗黒面で個人的にもっとも恐れているのは、最適化による停滞だな(「中世的停滞」という言葉が最も相応しいけど、実際の中世が「中世的停滞」と呼べるような時代ではなかったようなので)。
特にLLMが得意とするソフトウェア開発ではそれが顕著に現れる。新しい3DCGソフトやプログラミング言語が生まれる余地はない。LLMなら1秒で熟練エンジニア並のコードを作り出せるrustやGo、Python、Javascriptがあるのに、誰が使い物にならないM言語を開発するだろう。しかもそれはLLMに支援してもらえないのだ(今でも、未知の言語でもdocument読ませればかなり書けるけど、熟練のPython使いのようにはいかない)。エージェントはBlenderで都市の景観を作れるけれど、私のHDDに眠っているリリース直前で開発の止まったソフトではツールの選択すらおぼつかない。
LLMはその高い生産性と最適な設計を選ぶ力で、新たな、無謀な挑戦を阻む。もちろん同時にそんな挑戦を助けもするだろう。どちらに転ぶか決めるのは経済だが、どちらに転んでもLLMは流れを早めこそすれ穏やかなものにはしない。

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